階段の高欄が変則的な段差でスパイラルし、アールを描く漆喰天井や、アールデコの真鍮の手すりとともに、美しい構造意匠の遊びが見られます。
扉が開くように展開する階段。おそらくそのために、踊り場をあえて一段低い位置に設けたものと思われます。
吹き抜けと照明、階段と踊り場で構成されたモダンな空間に、日本伝統の高欄と円窓障子が巧みに配されて、上質な和モダンの空間になっています。
ガラス小壁障子から漏れる光と、アールデコの釣掛照明の競演。古き良き日本の照明文化がここにあります。
立鼓繋ぎ文様の桟を作ることは手間のかかるもの。当時でも、数寄屋大工泣かせの仕事であったと思われます。
複雑な板目が際だつ銘木の杉板に、7匹の鯉が描かれた、非常に豪勢な板絵作品。小村大雲は京都画壇で活躍し、大正13年より帝展委員を務めました。
美しいアールを描く漆喰天井。照明は、昭和初期(1930年前後)に流行したアールデコ様式です。
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アール天井と壁面の漆喰が生み出すやわらかな陰影の中を、ウエンジ色の斜線と直線が上昇します。
1930年頃はアールデコ照明の全盛期。数寄者はこぞって、オリジナルの照明を工房に発注しました。
意匠を凝らした建築には、美しい照明が必ず設置されています。そのような照明は、器具ではなく、もはや工芸品といえるでしょう。
32名までの少人数パーティーや、ご家族での会食に。和紙を使ったインテリアが日本情緒たっぷりな空間です。
天井に架かっているのは、鴨川を泳ぐ7匹の鯉を描いた名画(小村大雲作)。最大92名までのパーティーが可能です。